『な・・・・・・っ?!』
なんなんだこれは・・・・?
この俺のベッドでシーツに絡まって気持ちよさそうに寝てるこのちっこいのはなんだ・・・・??
つーかまて、ウルキオラはどこに行った??
よく考えろ俺。
ほんの30分前・・・・・。
『ぁ・・・・っ・・・・もっ・・・・これ以上・・・・っ・・・無理・・・・・・だ・・・・っ』
『ぁあ?こんなもんじゃねぇだろ?』
『んッ・・・・やっ・・・・』
最近任務やら仕事やらで忙しくて全然ヤれてなかったもんだから、つい加減できなくて・・・・・。
ウルキオラが気絶するまでヤっちまった。
起きたら怒るだろうが・・・・・とりあえず後始末だけはちゃんとしてやる。
ウルキオラはそのまま寝ちまったし俺も風呂に入ろうか・・・・と風呂場へ行ったんだ。
そこまではちゃんとウルキオラいたよな・・・?
で、30分ぐらいで風呂から出てきてみりゃ・・・・・・。
ベッドの上にはウルキオラじゃなくてこの得体の知れないチビ・・・・。
『どういうことだ・・・?』
とりあえず近寄ってその眠るちっこい物体を観察する。
一定の寝息を立てているそれは、透き通るような白い肌をしていて・・・・・つーか・・・・・なんかウルキオラに似てんだけど・・・・?
目の下からツーっと流れるようにある筋。
それにこの破面・・・・・。
頭半分を被せるようについているそれ。
これは確かにウルキオラのものと同じだ。
まさかウルキオラが小さくなった・・・・・?
まさかな。
そんなバカみてぇな話あるわけねぇし・・・・・。
『ん・・ぅ・・・・』
自分の馬鹿げた考えに頭を降ってそれを否定していたところで、その小さな物体は小さく呻いて目をコシコシと擦った。
そして、開けられたその瞳を見て俺は声も出なくなる。
翡翠の瞳。
そのチビの目は大きく、そして瞳はウルキオラ特有の・・・・・翡翠色をしていた。
どこからどう見てもウルキオラそのもの・・・・・。
『テメー・・・・なんなんだ?』
『・・・・・?・・・ウルキオラ』
『なっ・・・んだと・・・?』
ウルキオラって・・・・なんだよ?
つーか本物のウルキオラはどこに行った?!
ハッとして霊圧を探ってみる。
見つけた。
ただし・・・・・・この目の前のチビから。
弱弱しいが確かにウルキオラの霊圧をこのチビから感じる。
まさか・・・・ほんとにコレがウルキオラなのか??
『あの・・・・・お兄ちゃん・・・・誰?』
『おに・・・・っ?!』
まさかウルキオラにお兄ちゃんなんて呼ばれると思ってなかった俺はこんなガキに真っ赤になる。
そんな俺を不思議そうに・・・・・そのでっかい目で見つめてくるコイツに、少しウルキオラの面影を感じた。
『あー・・・・・グリムジョーだ』
『グリムジョー・・・・・お兄ちゃんグリムジョーって言うんだ!』
『・・・っ!!・・・そのお兄ちゃんってのやめろ。グリムジョーでいい・・・』
そんな敬うように呼ばれることになれない俺は、呼ばれるたびにくすぐったさを憶えて落ち着かない。
グリムジョーでいいと言うと、そのチビは『うん!』と嬉しそうに笑った。
ウルキオラの顔で笑うとこんな風になるのか・・・・・。
と、俺はその笑顔にドキッとする。
それをごまかすように俺はそいつに手を伸ばし、柔らかな髪を撫でてやった。
くすぐったそうに身をすくめるちっこいウルキオラは無邪気に笑いながら俺の手を掴んだ。
わざと乱暴に撫でてやると、ますます喜んで・・・・・。
その髪の手触りもウルキオラと同じ。
やっぱりコイツはウルキオラ本人なのか・・・・?
『とりあえず・・・・・服をなんとかしねぇとな。そのままじゃ風邪引くだろ』
シーツにくるまってて解らなかったが、こいつ何も着てなかったんだよな。
これはもうコイツがウルキオラだって認めるしかねぇんじゃねぇか?
ウルキオラもヤってそのままだったから服着てなかったしよ・・・・・。
まぁそれより・・・・・どうすっかな?
こんなちっこいサイズねぇぞ・・・?
っと、辺りを見渡すと目の端に白いものが映った。
それは俺が脱がせたウルキオラの服だったんだが・・・・・。
『これ着せてみっか・・・・・』
俺はその服を拾い上げ、袴はベッドの上において、上の服だけを広げる。
このサイズならなんとかなるか・・・・・と、それをポイッとチビウルに渡す。
『これ着てみろ。ちょっとでけぇかもしれねぇがな』
チビウルは受け取ったそれを眺めてもたもたと着始めた。
しかし・・・・・・。
袖のところに頭を突っ込もうとしたり、裏表逆に着そうになったりして一向に着れる気配がしない。
見ていてだんだんイライラしてきた俺はバッとその服を奪い取る。
『ったく・・・貸せ。こうやって着んだよ』
『むぐっ・・・・』
チビウルの片手を取って袖へ導いて、もう片方も袖を通すように教えてやる。
そして最後にチャックを閉めてやると、だいぶ大きいが一応肌は隠れた。
現世で言うワンピースのような服になって・・・・・。
余って引きずっている袖をこれでもかというほど何回も折って小さな手を出してやる。
『おっきー・・・・』
『我慢してろよ。藍染様に言ってなんとかしてもらうからそれまでこれ着てろ』
『うん!』
『・・・・いい子だな』
素直に返事をするチビウルが可愛くてまた頭を撫でてやると、きゅうっと抱きついてくる。
その小さくて軽い体を抱き上げて、背中をポンポンと撫でてやると、さらにきつく抱きついてくるチビ。
『んじゃ、藍染様んとこ行くか』
『あいぜん・・・さま?』
『あぁ。まぁ・・・・すっげーえらい人だ』
抱きかかえたまま歩き、部屋を出る。
もしかするとあの人ならなにか知ってるかもしれない。
もしかしたらあの人の薬で・・・・・とかじゃねぇだろうな??
まぁそんな疑いもあるし・・・・・報告もしなくちゃいけねぇしな。
まぁなんにしても、あの人ならなんとかしてくれんだろ。
そう願って、俺は藍染様の元へと歩みを進めた。