真っ直ぐな愛情表現




 快感も痛みも・・・・・。

こいつがくれるなら全部受け止めていい。

そう思えるほどに愛しくて、気持ちを抑えられない。

抑え込むなんて出来やしない。


『どうしたよ一護。もっとだろ?』
『ぁ・・・・っ・・・・はァ・・・・っ』


 グリムジョーはいつも真っ直ぐに俺を抱く。

包み隠さず素直な気持ちで。

伝わってくる感情は嘘がなくそれは嬉しいが・・・・・ただ少し乱暴。

俺としてはもう少しゆっくりでもいいと思うんだが・・・・・激しすぎる。

その激しさがグリムジョーの真っ直ぐな気持ちだから仕方がないのかもしれないが・・・・。

全てを飲み込まれそうで俺も結構必死。

そのまま流されてしまえばいいんだが・・・・・。

それじゃぁ負けた気がして嫌だ。

グリムジョーばかり余裕なのはすげぇムカつく。

けど・・・・・

結局最後は負けるんだ。

グリムジョーの激しさに飲み込まれて・・・・・。

理性を手放す。


『ぅ・・・・んっ・・・・ぁ』
『っ・・・・一護・・・・』


 耳元で低く名前を囁かれると、それにすら体がズクンと反応して・・・・。

震える体を抱きしめられると自分からキスを強請ってしまうほど。

優しいキス。

それだけで終わるはずもなく・・・・

その後にくる深く激しいキスに俺は構えた。


『ふっ・・・・んぅ・・・・っ』


 予想通りの噛み付くようなキス。

なのにそれが酷く甘くて・・・・。

なぜかそれに安心している俺がいた。

それでも快感には勝てずに、思わずグリムジョーの背中に手を回してしがみ付いた。

その時。

驚いたように目を見開くグリムジョー。

俺はなぜグリムジョーがそんな顔をしたのかが理解できずに快感にトロンとした目でグリムジョーを見上げた。


『・・・な・・・んだよ・・・?』
『・・・・いや、お前がそんな風にしがみ付いてくるの初めてだと思ってよ』
『そう・・・だっけ・・・?』


 意外だった。

そんな細かいところまで憶えていると思わなかったから。

しかもそれにわざわざ驚くなんて・・・・・

少し嬉しくなる。

嬉しくて・・・・・さらにしがみ付く手に力を込めると、グリムジョーはどこか嬉しそうに口の端を吊り上げて笑って・・・。

またも深いキス。

散々唇を吸われて、やっと解放されたと思ったら耳元に唇が寄せられて・・・・・


『んな可愛いことすんじゃねぇよ・・・・・加減できねぇだろ』
『えっ・・・・・ぅあッ・・・』


 呟きニヤリと笑ったかと思った矢先、激しく腰を使われ、上ずった声を上げてしまった。

つ−か・・・今までアレで加減してたのかお前は?!

絶対してない。

いつもこっちが壊れんじゃないかってぐらい抱いてきたくせに。

現に加減できないとか言った今もグリムジョーいわく加減しているといういつもと変わらないしな。

ったく・・・・・しゃぁねぇな・・・・。


『んっ・・・んぁ・・・・グリ・・・ムジョーっ・・・・』
『一護・・・・・ッ・・・』


 結局はまた俺の負け。

いつもと同じように、グリムジョーの波に飲まれて・・・・・。





『なぁ、グリムジョー』
『あ?なんだよ』
『お前さ、いつも加減してんの?』
『おう』
『今日は?』
『加減できなかった』
『あのさ・・・・・いつもと変わんねぇんだけど・・・』
『・・・・気のせいだろ』
『目逸らしてんじゃねぇよ』


 やっぱ結局いつも加減出来てねぇんじゃねぇか。

まぁヤられた後はキツイけど・・・・・加減されない方が嬉しかったりして・・・・な。

でもコレ、グリムジョーに言ったらまた調子乗りやがるから。

ココだけの秘密、な?





                                                                      end