ぷれぜんと ふぉー ゆー
『よぉ一護。お前今日生まれたらしいな』
『いやいや、俺別に今日生まれたわけじゃねぇし』
『んなこたぁわかってんだよ。なんつったっけ?・・・・・あぁ、誕生日なんだろ?』
『・・・??なんでテメーが知ってんだ??』
『市丸に聞いた』
『なんであいつが知ってんだよ・・・・?』
グリムジョーの変な日本語。
変に知識があるせいかもしれねぇけど・・・・。
そんなことよりも、なんで市丸が俺の個人データ知ってんのかが気になる。
グリムジョーに聞いたって知らねぇだろうからもうそれはいいとして・・・。
急に訪ねてきたグリムジョーはそんな会話を2,3した後、俺のすきをついてベッドに押し倒した。
当然焦る俺は唇を近づけてくるグリムジョーの口をパッと手で塞ぐ。
おもしろくないグリムジョーはムッと眉根を寄せて俺を上から睨みつけてくるが・・・・・睨みたいのは俺のほうだ。
『テメーは来てそうそうなにするつもりだっ!!ってぅおッ!!!舐めんじゃねぇッッ!!』
塞いでいた手の平グリムジョーが舌を出して舐め上げる。
“しょっぺー”と呟いているが当たり前だろう。
『ぎゃぁぎゃぁ騒ぐなよ一護。大人しくしてろ』
『するわけねぇだろ!!何考えてんだこんな真っ昼間から!!』
『・・・・・。ちっ・・・うるせぇな・・・・。今日は特別な日だろうが』
『別に』
『テメー・・・・・・いい加減にしとけよ?』
『いい加減にすんのはテメーだろうがッ!!っん・・・・ッ』
グリムジョーは俺が抵抗出来ないように手押さえつけ、さっき出来なかったキスをしてくる。
乱暴な行動とは裏腹な優しいキスに翻弄されて、引き剥がしてやりたいはずなのにそれが出来なくなってしまった。
誘われるまま舌を出し、そのキスに応える。
そうするうちにグリムジョーも俺の手を解放して・・・・・俺は自由になった手をグリムジョーの肩に添えた。
力が入らない手ではいくら押したってグリムジョーに通用しないことはとっくに身をもってわかっている。
そうなると今無駄な体力を使うのもバカらしい。
せめてグリムジョーが乱暴にキスしてくれていたら、抵抗の1つも出来たのに・・・・。
コイツのキスは・・・・・キスだけじゃなく俺に触れる手も、全部全部優しい。
それはいつもそうなんだけど・・・・・今日はいつになく優しい・・・・?
いつもと少し違う微妙な変化。
『ん・・・・っ・・・・グリ・・・ムジョー?』
『ぁあ?』
『・・・・・・くすぐってぇ』
“なんで今日はそんなに優しいのか”と素直に聞いてやるのもちょっと腹が立つからあえて遠まわしに。
これでグリムジョーが気付くかはわからなかったが・・・・・。
わかっていたのかわかっていないのか、グリムジョーは俺が望んでいた答えを口にした。
ただその答えの内容までは予想できなかったが・・・・・。
『今日はお前の誕生日だから。優しくしてやる。お前のして欲しいようにもしてやる』
『・・・・・・じゃぁいますぐこの行為をやめろよ・・・・』
『却下だな。それは一護の本当にして欲しいことじゃねぇだろ』
なにをえらそうに・・・・とも思ったが、図星をつかれ反論できなくて、俺はニヤニヤと笑ってまた唇を近づけてくるグリムジョーを受け入れるしかなかった。
『ん・・・・ぁ・・・・ッ・・・・も・・・いいって・・・・・グリ・・・ムジョッ・・・・』
グリムジョーは優しくすると言った。
確かに触れる指は優しい。
いつもよりも丁寧かもしれねぇ。
だけどな、焦らすのと優しいのは違う気がする。
さっきから俺のをゆっくりと刺激しているグリムジョー。
ゆるゆると手を動かしながら舌を這わせる。
根元から舐め上げられるとビクビクと体が震えて、声を抑えることも出来ないほどに・・・・・。
必死に手の甲を唇に当てて我慢してもグリムジョーはそんな俺を見てニヤニヤと笑いながら俺自身を限界へと追い込んでいく。
ねっとりとした舌遣いに何度もシーツを蹴った。
『ん・・・ふぅッ・・・・や・・・ぁ・・・・っ・・・』
『イきたかったらイっていいぜ?一護・・・・』
『んンっ・・・・』
その言葉と同時にピクピクと俺自身が震えだす。
なぜか悔しくてまだイきたくないと思っている気持ちを裏切って体は欲を吐き出そうとしている。
嫌だとかぶりを振ってもグリムジョーは容赦なくくわえ込んで離してくれない。
途端、一際大きくそこを吸われ、俺は声を抑えることも忘れてグリムジョーの口の中に欲望を吐き出していた。
ゴクッとグリムジョーの喉がなる。
意識が朦朧とする中でその音だけがリアルに頭の中に響いた。
起こすことも億劫な体をなんとか頭だけ持ち上げてグリムジョーを見る。
するとグリムジョーは丁度口を拭っているところで。
俺が見ていることに気付いたグリムジョーは俺のことを思ってか、俺が頭を下ろせるように上に移動してくれた。
上から見下ろしてくるグリムジョーの頬に、ダルイ手を伸ばし触れる。
親指で唇をなぞって重い口を開いた。
『・・・まずく・・・ねぇの?』
『・・・・美味くはねぇな。一護のなら平気』
『バーカ・・・・』
照れ隠しにその頬を摘んで引っ張ってやると、グリムジョーは“いてぇ”と小さく声を上げた。
そしてその手にグリムジョーの手が添えられて・・・・・。
どこか切なそうな顔に俺はギョッとする。
すぐ後、グリムジョーが口を開いた。
『・・・・・・プレゼント、用意してねぇんだ。市丸から聞いてすぐ飛んできたから・・・。つってもなにやっていいかわかんねぇから結局一緒だったかもしれねぇけど・・・・・せめて今日は優しく抱こうって思ってよ・・・・』
いつも強気なグリムジョーがこういう風な態度なのは珍しくて。
俺の誕生日知って焦ってくれたこととか、すげー嬉しくて。
プレゼントないのとか気にしちゃって可愛かったり・・・・。
あぁ、だからあんなにも優しかったのかとか・・・・・。
『十分嬉しいって・・・・。最高のプレゼントだぜ?』
俺はぎゅっとグリムジョーにしがみ付く。
自分から唇を寄せて、自らその行為の先へと誘う。
グリムジョーもすぐに応えてくれて・・・・・。
『んっ・・・・ぁ・・・・っぁ・・・』
『一・・・護っ・・・・』
『ぁ・・・・んッ・・・・まっ・・・・前っ・・・・触んなくて・・・いいっ・・・て・・・・』
すぐに出てしまうから・・・・。
と、グリムジョーの手をそこから外そうと試みても、瞬間に腰を使われて出来なくなる。
呼吸ごと奪われそうなキスに一気に熱が昂ぶって。
『我慢すんなよ一護。何回だってイけよ』
『んぅっ・・・・ぁああ・・・・・ッ』
腰と同時に手も動かされ、我慢なんて出来るはずなくあっけなく果てる。
瞬間ヒクッと中にいるグリムジョーを締め付けてしまって、中でグリムジョーがドクンと脈打ち大きさが増したのを感じた。
それにすらビクッと体が反応して・・・・・どうにかなりそう。
『一護・・・・俺も出していいか?』
『は・・・・ァ・・・・っ・・・・俺、も・・・・・だめっ・・・ぁ・・・・』
グリムジョーに足を開かされて最奥まで深く突かれる。
徐々にスピードを増す動きに合わせて呼吸もあってきて・・・・・。
グリムジョーのがピクピクと痙攣するのを感じとり、それは俺にまで伝わって・・・・・
中で熱を受け止めたのと同時に、俺もまた吐き出していた。
『ん・・・・っ・・・・はぁ・・・・・』
『・・・・一護・・・・・ちゅ・・・』
汗で濡れた髪を掻き揚げてくれながらグリムジョーが何度も何度も啄ばむようなキスを繰り返す。
呼吸が整うにつれて少しずつ唇を合わせている時間も長くなる。
しばらくそうしてじゃれた後、グリムジョーがふいにベッドから下り、立ち上がった。
『風呂、行くか』
『ん?ぉ・・・おぉ・・・・』
『っと・・・立たなくていいぜ』
なんで?・・・・と聞こうとした瞬間、俺の体がフワッと宙に浮く。
正しくはグリムジョーが俺の体を抱き上げたからだが・・・。
『ちょ・・・っグリムジョーっ』
『黙ってろよ。今日は全部俺がやってやるから』
抵抗すると落ちそうで、ろくな抵抗も出来ず、俺はそのまま風呂場へと連れて行かれた。
宣言通り、グリムジョーは俺には何一つさせず、全部を自分でやってしまった。
まず中で出したものを掻き出して・・・・・。
だが・・・・こんなことしてただで済むわけがない。
グリムジョーがエロい触り方してくるし中で変に掻き回すから・・・・・。
結局風呂場でもう1回。
グリムジョーはぐったりする俺を自分にもたれさせて体の隅々まで綺麗に洗ってくれた。
敏感になってる体はグリムジョーに触れられるたびゾクゾクしたけど気持ちよかった。
髪もちゃんと洗ってくれて・・・・・。
風呂から出た後も俺の体を拭いてくれて、また抱っこされて今度はソファへ。
髪まで乾かしてくれて大サービスのグリムジョー。
『えっと・・・・サンキュ』
『あぁ。体つれぇんだろ?もたれてていいぞ』
『ん・・・・』
優しいグリムジョーに素直に甘えて擦り寄る。
髪を撫でられて・・・・・うとうとしそう。
『あ〜・・・・なんかすげぇ・・・・最高の誕生日だ。ありがとな、グリムジョー』
『まだだぜ』
『はぁ?・・・・・いや、俺さすがにもう出来ねぇぞ・・・・?』
『違ぇよ・・・・・。・・・・・・誕生日おめでとう、一護』
『え?・・・・ぁ・・・・・あ・・・・りがと・・・・』
そういえば言われてなかったっけ・・・とそこでやっと思い出す。
だってそんな言葉以上のことしてもらったから。
嬉しすぎてやばい・・・・・。
『グリムジョー・・・・・』
『ぁ?』
『来年も楽しみにしてるからな?』
ニヤッと笑った俺に、グリムジョーは“まかしとけ”と笑い返した。
end
7/15 Happy Birthday 黒崎一護