お酒は飲んでも呑まれるな
『なにを飲んでいるんだ?』
『ん?これか?酒。ビールつーんだよ』
缶をグイッとあおっている俺を不思議そうに見ているウルキオラ。
こいつ酒も飲んだことねぇのか?
だったら少し飲ましてみるか・・・・とウルキオラにその飲みかけの缶を渡すと、恐々とそれに口をつけた。
そして少し缶を傾け口に含んだと思われた瞬間バッと缶から口を離し、手で口を覆う。
『ぅ・・・っく・・・・』
『ウルキオラ?』
『・・・・苦い・・・・』
『あぁ〜・・・・』
ウルキオラは苦いのダメなのか。
ちょっと涙目だし可愛いな・・・・・。
んじゃぁチューハイぐらいなら飲めんじゃねーか?
アレならジュースみたいだし・・・・・。持って来てやるか。
『悪ぃ悪ぃ。もう1本の方なら甘くて飲みやすいと思うから。取ってきてやるから待ってろよ』
キッチンの方へ行く際、ウルキオラの頭を撫でてやって、冷蔵庫からチューハイのオレンジの缶を取ってきてやる。
それをウルキオラに差し出すと、少し不安そうにしながらも缶を開けてさっきのように恐る恐る口をつけた。
その様子が可愛くて見ていると、一口飲んだウルキオラがキョトンとその缶を見つめる。
『どうした?』
『・・・うまい』
『だろ?それなら飲めそうだな』
『グリムジョーよくそんな苦いものを飲んでいるな』
『慣れりゃぁうめぇんだよ』
そっから俺もチューハイ飲んだりして・・・・・俺、結構飲んだんだけど・・・・・ウルキオラの勢いがとまらなかった。
チューハイって結構アルコール度数高ぇのにジュース感覚で飲めちまうからガンガン飲みやがって・・・・・。俺も気分良かったし、止めないまま。まさかこんな大変なことになるなんて思ってなかったんだ。
『熱・・・ぃ』
ウルキオラはそう呟いて胸の真ん中についているチャックをゆっくりと下ろす。
それを目の前で見た俺は一気に酔いが冷めて・・・・・。
目を少し潤ませ、頬を上気させて・・・・・。
おまけにそんな艶かしい姿を見せられたらたまったもんじゃない。
そんなになるまで飲んでいたなんて気付かなかった・・・・・。
ふとテーブルを見ると缶の山。テーブルはもう置くところがないほど缶で埋まっている。下にも何本か転がっている。そのほとんどがチューハイの缶で・・・・・。
俺はチューハイ3本ぐらいしか飲んでねぇ。ウルキオラどんだけ飲みやがったんだ・・・?
さっきまで熱かった体から一気に熱がひいていくのを感じた。
目の前ではまだ飲もうとするウルキオラ。さすがにやべぇ・・・とウルキオラの隣に行き、缶を取り上げた。
『こらっ・・・いい加減にしとけって。飲みすぎだ』
『ゃらぁっ!返してってばぁ!!』
『ぅぐっ・・・』
なんでこんな幼稚言葉になってんだよ・・・・?呂律回ってねぇ・・・・・。
すげーやべぇ。押し倒してぇ・・・・・。って何考えてんだ俺は!!
必死にそれを払いのけ理性を保とうとしていたところに、ウルキオラは俺の手から缶を奪おうと俺の膝にまたがってくる。
反射的に手を上に挙げたものの、この体勢はいろいろヤバイ訳で・・・・・。
『ちょっ・・・コラッ、ウルキオラ!!降りろ!』
『じゃぁ返してよぉッ!もっと飲むんらからぁ!!』
『ダメだってマジで!!ウルキオラ!!』
普段なら絶対に自分から膝に乗るなんてしないウルキオラに、ここまでされたら俺だって我慢できねぇ。けど・・・・・酔って記憶ねぇウルキオラとヤんのはなんか嫌だ。
でも本気でやべぇ。必死に手を伸ばして缶を取ろうとするウルキオラの体は俺の体に自然に密着してくる。
それでも缶は渡さねぇとそれだけを考えるようにグッと上へ高く上げた。
そうすると諦めたのか、ウルキオラは伸ばしていた手を下ろし、ぷぅっと膨れっ面で俺を見つめる。
そんな顔で見られたら缶を手渡してしまいそうになったが、グッと我慢。理性の方も・・・・・。
『・・・・じゃぁ・・・こっちでいい・・・』
『はぁ?・・・ッ?!』
何を思ったのかウルキオラは俺の唇に吸い付いた。
驚きのあまり俺は缶を地面に落としてしまったがそんなことは気にならない。
普段からは想像もつかないウルキオラの姿に俺は完璧に翻弄されていた。
『ん・・・んっ・・・』
『はっ・・・ちょっ・・・・ウルっ・・・』
触れていただけだったキスが徐々に深いものに変わっていく。
ウルキオラの舌が口内に入ってきて俺のそれに絡んだ。その瞬間、俺はウルキオラの肩を持って引き剥がす。
『やめっ・・・・離れろウルキオラ!!なにやってんだ!!』
『ん・・・・』
ぼーっと虚ろな目で俺を見て・・・・・ニコッと笑う。
その変化に俺が一瞬怯んだ隙にウルキオラは俺の首に手を回し、ぎゅーっと抱きついてきた。
そして耳元でとんでもねぇことをつぶやく。
『ねぇ・・・・しよ?』
『ッ・・・・・?!・・・・後で文句言うんじゃねぇぞ・・・・』
限界だった。こんな体勢であんだけ攻められて挙句の果てにこの殺し文句。
絶えれる訳がねぇ。
ただ此処、リビングじゃまずいと思って、最後の理性を振り絞って、ウルキオラを横抱きにして寝室につれていく。
倒れこむようにベッドにウルキオラを押し倒して今度は俺から口付ける。最初から深く、舌を絡ませてちゅくっと吸ってやると、きゅぅっとウルキオラが俺にしがみついた。
何度も息があがるまでキスを繰り返した後、俺はすばやく上の服を脱ぐ。
その服をベッドの下に放って軽くウルキオラの唇にキスを落としてから耳に唇を滑らせる。
ふぅっと息を吹き込んでやると、ウルキオラの体が面白いほどに跳ねた。
柔らかい耳たぶを甘噛して、首筋を辿る。舌を這わせ、ゆっくりと下り首に空いている穴のふちをゆっくりとなぞるといつも異常に声をあげた。服のふちから覗く鎖骨にもカリッと噛み付くと、甘い声が漏れる。
『グリっ・・・熱・・・・ぃ・・・・ど・・・にか・・・・して・・・っ』
『あぁ。わかってる・・・・・』
普段とは違うウルキオラにゾクッとしながら、服のチャックを口で咥えジーッと下に下ろすと、前が肌蹴て白い肌が覗く。その服を脱がせて俺のと同じように下へ放った。
もう一度ウルキオラの体に視線を戻し、触ってもいないのにすでに立っている胸の突起に舌を這わせて押しつぶすように捏ねてやると、ビクッとウルキオラの体が弓なりにしなる。
『ぁっ・・・・』
『なぁウル。指で弄んのと口ですんのどっちがいい?』
普段ならこんなこと聞いたって殴られるかお預けにされるかだろうが・・・。
今のウルキオラなら・・・・・・。
『・・・く・・・・ちで・・・してッ・・・・』
『了解』
思惑通り、素直に答えたウルキオラの要望通り、ちゅくっとそれに吸い付いた。
わざと歯を立ててやると、少しくぐもった声を出したが痛みも快感になるのか声をあげてよがっている。
舌先に力を込めて嘗め回すと俺の頭を抱え込むようにしてしがみ付いてくる。
『もっ・・・そっち、いい・・・からぁ・・・・・』
『んだよ?いいんだろ?』
ウルキオラのして欲しいことなんざわかってる。
だけど・・・・・ウルキオラの口から聞きたい。
『ぅ・・・・苦し・・・・ぃから・・・・ぁ』
『それで?』
『・・・ッ・・・・・下・・・さわっ・・・・て・・・・おねが・・・っ』
『ん、いい子だな』
ちゅっと額にキスしてやってから袴に手をかけずらす。
それを足から抜き取ると、俺は主張しているウルキオラ自身に指を絡めた。
『ひぅっ・・・』
指でそっと撫で上げるとビクビクと体を震わせる。その反応を見るのが楽しくて何度もそれを繰り返した。
『グリムジョっ・・・・ちゃんと・・・さわっ・・・・んッ・・・』
『えらく素直だなぁ』
『だって・・・・・ッ・・・・・ちゃんと・・・・してくれないッ・・・・』
泣き出しそうになるその目じりに舌を這わせ滲んできた涙を吸い取るようにすると、ウルキオラはなにかを堪えるように俺にしがみ付いてくる。
『悪かったって。ほら・・・・』
その体を片方の腕で支えて、空いた方の手は下半身に伸ばす。そしてそれを握って上下にゆっくりと動かしてやった。
『んぅッ・・・・ぁん・・・っ・・・・ゃぁッ・・・・』
『嫌なのかよ?』
『違ッ・・・・イィ・・・からぁっ・・・』
『イイから?』
『んっ・・・・もっと・・・・して』
もとから切れてる理性がまたどこかで切れそうだ。
いや、もうそんなのは残ってねぇけど。
それぐらいにやべぇ。可愛すぎる。
ぐりぐりと先端を弄ってやると、悲鳴のような声が漏れる。
その声さえも俺を誘うように聞こえるのは、ぜってぇ俺の勘違いなんかじゃねぇ。
『ぁ・・・・あっ・・・・やぁッ・・・・イくっ・・・・・イくッ・・・』
『いいぜ。出しちまえよ、ぉら』
『あっ、やぁッ・・・・あぁぁぁッッ!!』
ほんとに限界だったらしく、ちょっと擦っただけで簡単に果てた。それでも萎える様子はない。
力が抜けたのか、俺の首に回されていた手がスルっと解けていく。その体をゆっくりとベッドに沈めてやって、息を整えているウルキオラに軽くキスしてやった。
そして、スッと足の間に手を滑らせ、そこにウルキオラが出したものをぬりつける。
息を整えていたウルキオラもビクンと反応し、トロンとした目で俺を見ている。
『ココだいぶやらけぇな。すぐ飲み込んでいくぜ?』
『ぁ・・・・はぁ・・・・っ』
『2本目も入った。うまそうに喰ってんな』
『んやぁっ・・・・あっ・・・そこ・・・ダメっ・・・』
『ココか?』
『やぁぁッ・・・』
中で指をクッと曲げてやると、イイところに当たるらしく甘ったるい声を出す。そこを擦るように出し入れしてやるとますます指に喰いついて離そうとしない。
『ダメって・・・・グリムジョーっ・・・・もぅヤダぁッ』
『なにがやなんだよ?』
『グリムジョーが・・・・欲しいッ・・・』
『ッ・・・・?!』
コイツはまたこうやって俺を狂わせる。
そんなん言われちゃマジで手加減なんか出来ねぇ・・・・。
壊しそうで・・・・怖ぇ。
『ったくよぉ・・・テメーはどんだけ人をあおりゃぁ気が済むんだバカヤロー』
『っう・・・・早く・・・ぅ・・・・』
『そんなに欲しけりゃ自分で挿入れろ』
『えっ・・・?』
俺はウルキオラの上から退いてゴロンと寝転がった。
その行動を黙って見るウルキオラに目だけで誘うと少し恥らいつつも俺の上に跨って来る。
ウルキオラは俺の袴におずおずと手をかけると、俺の方に目を向けて、無言で“腰をあげて”と要求してくる。
それに素直にしたがってやると、ウルキオラはそれを抜き取り放ったあと、俺に助けを求めるようにジッと見つめてくる。
『挿入てぇんだろ?挿入りゃぁいいじゃねぇか』
『そんな・・・・・こと・・・・』
『大丈夫だからゆっくり腰おろせよ・・・・』
骨盤に手を当て、支えてやりながらウルキオラを誘導する。
ウルキオラはゆっくりと腰を沈めてやっとのことで入り口に当たった。
『やっ・・・無理ッ・・・』
『まだ当たっただけだろぉが。いつも挿入ってんだから大丈夫だろ?怖くねぇよ』
やっぱ無理か・・・と思ったが、ウルキオラが震えながら腰を沈めるのを見て、もう少し様子を見ようと思った。
出来ればこのままの体位でやりてぇ。
ウルキオラが自由に動ける方が壊さなくてすみそうだから・・・・。
『んぁっ・・・・・グリっ』
『息吐け・・・・もうちょっとで挿入る・・・・』
ゆっくりなせいで余計にリアルに感じるらしく、全部挿入っていないのに途中で締めるウルキオラ。
それが俺にとっては結構キツイ訳で・・・・。
『んぁ・・・っ・・・・もっ・・・あぁっ・・・・・・・挿入っ・・・た?』
『あぁ。全部飲み込んでるぜぇココ。ぉら、まだ終わりじゃねぇだろ?動けよ』
『ぃあっ・・・・ふぅッ・・・』
ゆるゆると腰を使い出すウルキオラ。
自分で腰を振る姿なんか始めてみる。
ウルキオラのやらしい姿が全部見えて・・・・・・・ウルキオラの中で俺自身がドクンッと脈打った。
もちろんそれはウルキオラにも伝わるわけで・・・・急にきた刺激に体を震わせた。
『あっ・・・あっ・・・・んぅッ・・・・』
ウルキオラの中でだんだんと羞恥心が無くなってきたのか、腰が激しく動き出す。
自分で動きながら喘いでる姿ってこんなにエロいのか・・・・と思い知らされた。
『さっきからそこばっか擦ってんな。そんなにイイのか?そこ』
『あぁっ・・・・や・・・・もぅ・・・グリ・・・・うご・・・て・・・・ッ・・・』
自分で動くだけじゃ物足りないのか、ウルキオラが涙目で訴えてくる。
俺も我慢の限界・・・・・ウルキオラを支えながら、下から突き上げるように腰を動かした。
『はぁっ・・・やっあぁ・・・・』
同時にウルキオラ自身も握って擦ってやると俺の上でウルキオラが乱れる。
意味もなく頭<かぶり>を振って、甘い声を上げ続ける。
さっきウルキオラがよがってたところを何度も擦りあげるように貫くと、ウルキオラはもう動くことを忘れて俺にされるがままになっていた。
『もぅやッ・・・・出るッ・・・・グリっ・・・イくッ』
『あぁ・・・俺も。一緒にな?』
『っあ・・・・やっ・・・・やぁぁぁぁッ!!!』
一際大きく突くとウルキオラの体から一瞬力が抜け、直後ウルキオラは果てた。それと同時に俺もウルキオラの中に吐き出していた。
さわやかな朝・・・・・でもない。
昨日飲みすぎた上にあの後何回かヤったためだろう。今日が休みでよかった。
横を見るとウルキオラがまだ寝ていて・・・・。昨日は本当に可愛かった・・・・・。でももうこんなことないんだろうな・・・・と思い苦笑しながらそっと髪を撫でるとその大きな目がパチッと開かれた。
『・・・・ウル?』
『・・・・頭と・・・・・腰が猛烈に痛い』
『頭は・・・・アレだけ飲みゃぁそうなるだろうけどよ』
『腰は・・・・・貴様か?』
『ぅっ・・・・確かに俺だけどよ!!誘ったのはテメーだからな!!』
これだけは言っておきたい。
俺は必死に我慢した。誘ったのは絶対ウルキオラだ。
殴られるかと思ってガバっと起き上がりベッドから出たがウルキオラは動かない。
動けないのか・・・?とさすがに少し心配になってもう一度ベッドに近づく。すると、バッと布団がめくられて・・・・・目だけをこちらに向ける。
入れって事か?
そう解釈した俺は大人しくウルキオラの横に戻る。
『昨日のことは・・・・・忘れろ』
『??ウルキオラもしかして・・・おぼえ』
『うるさい忘れろ。じゃないともうお前とはしない』
『わーったって。忘れる』
本当は忘れるわけないけどな。
一生お預けなんてくらってたまるかよ。
『休みだし今日はゆっくり寝とこうな、ウルキオラ』
額に口付けると、めずらしく赤くなって布団をかぶる。
そんなウルキオラが愛しくて・・・・・そっと抱きしめてやった。
end