atmosphere




『おい・・・・・』

『ん?なんだよ』

『やめろ』

『なにを?』


 何を・・・なんてわかっているくせに止めようとしない。

それどころかさらにしつこく・・・・・。


 数分前、壁にもたれるグリムジョーに抱き寄せられた。

それを大人しく受け入れ、黙って腕の中にいてやったのに。

初めは腰を抱きしめていたその腕がスルッと下へ下がったと思ったら・・・・・

尻を一撫で。

ムッとしつつも軽くもぞっと身を捩って回避したが、懲りることなく触り続けるグリムジョー。

触るだけならまだしも・・・・・揉みだす始末。

そこまできてようやく俺は口に出して止めさせようと試みる。

だがグリムジョーはニヤニヤするだけで手を止める気はないらしい。

いい加減俺も大人しくしていられなくて力ずくでグリムジョーの腕の中からの脱出を試みるが押してもビクともしない。

それどころか唇まで奪われてしまう。

抵抗する腕にも益々力が入らなくなり、グリムジョーのさらけ出された胸にすがる様に当てられているだけ。

薄く目を開くと至近距離でグリムジョーと目が合い、慌ててギュッと目を瞑る。

口内を犯されながら尻を撫でる手も止められることがない。

さっきまでどうもなかったのになぜか変な気分になってくる。

気付けば前が硬くなっていて、無意識にグリムジョーに擦りつける様に腰を動かしていた。

それに気付いたときにはもう遅く、グリムジョーにもすっかりバレてしまっていて自分から誘った形でズルズルとベッドに連れて行かれた。


『やめ・・・・っ』

『誘ったのはテメーだろうが』

『違う・・・・誘ってなどいない』

『じゃぁ腰振ってたのはなんだったんだよ?』

『アレは・・・・・』


 痛いところを指され口ごもるとグリムジョーはお構いなしに俺の服を剥ぎ取った。

自分もすばやく身にまとっているものを脱ぎ捨てると俺に覆いかぶさってきた。

抵抗する俺を黙らせるように何度も口付けを繰り返すグリムジョー。

俺もそれが罠だと気付きつつ逆らうことが出来ずだんだんと奥深くへと引きずられていく。

気付けばまた自分からキスを強請っていて、それがはしたないことだとわかっているのに自分で自分が止められなかった。


『グリっ・・・・ジョー・・・・・ッ』

『もっと善がれよ』

『っあ・・・・・・ッ』


 グリムジョーに触れられた箇所がジンと熱を持ち、そこから全身に広がっていくようだった。

苦しさに身悶えると、グリムジョーは優しく笑って快楽へと導いてくれる。

グリムジョーとこうして繋がる時間は好きだ。

心地良くて・・・・安心できて、どこか不安な気持ちも一緒にさらってくれる気がするから。

今は2人だけなのだと教えてくれるから。

ずっとずっとこうしていたいと願うほど・・・・・。








『だからなぜ尻を触る?』

『気持ちいいからじゃねぇか?』

『どういう意味だ?』

『そのままだぜ?俺もさわり心地よくて気持ちいいし、ウルも触られてんの気持ちいいだろ?』

『気持ち悪い』

『体は気持ちいいっつってるぜ?』

『うるさい』




 ベッドの中で裸のまま。

きっとしばらくは解放してもらえないだろう。

いや・・・・・きっとしばらくは解放してやらない。

出来れば朝までずっとこのまま・・・・・。



                                                                    end