優しき王様
『軋れ・・・・・・・豹王』
『・・・・っ??・・・・・グリムジョー・・・?なぜいきなり・・・・?』
思わず後ずさる俺にニヤニヤとして近づいてくるグリムジョー。
じりじりと近づいてきていると思った瞬間、一瞬グリムジョーの姿が消えて、気付いたときにはグリムジョーに押し倒されていた。
顎をつかまれてペロペロと頬を舐められる。
『ん・・・・っ・・・・なんなんだいったい・・・・・?』
『たまには変わったことしてぇだろ?いつも同じようにしてたんじゃ飽きてくるからな。俺が姿を変えてみることにした』
『またくだらないことを・・・・・・』
少し呆れて漏れるため息にグリムジョーは少しムッとしたのか、首筋に噛み付くようなキスをしてくる。
見慣れない長い髪がくすぐったい。
頬をくすぐる耳も・・・・・どこもかしこも獣。
グリムジョーの感情を表すように尻尾が揺れる。
ゆっくりと左右に動く尻尾は見ていておもしろい。
抱きしめるようにして髪を撫でると、思っていたよりも柔らかく触っていて気持ちがいい。
指を絡ませてはとき、絡ませてはとき・・・・・・。
好奇心からふと目に入った耳にも触れてみる。
ふにふにと握ってみると癖になりそうなほど。
柔らかく触り心地がいい。
『ウルキオラ・・・・・・遊んでんじゃねぇ』
ついつい夢中になって触っているとグリムジョーがパッと顔を上げた。
いつもは破面で触れなかった右の頬に手を這わせて撫でるとグリムジョーはくすぐったそうに首を引く。
その手がグリムジョーの手に取られて、ゆっくりと唇が重ねられる。
すっかりその気モードのグリムジョーは、軽いキスを繰り返しながら俺の体を撫で回す。
長い爪で俺を傷つけないように気遣っているのがわかる。
自分はもうやる気満々のくせに、俺が本当にしたいと思っているか探りながらことを進めているのもわかる。
そんなさりげない優しさが堪らなくて・・・・・。
雰囲気に流されるように、俺も自分からキスを深くしていった。
垂れ下がってくる髪が肌をくすぐる。
その髪を掴んで引っ張ってキスを強請って。
グリムジョーも俺が強請るとすぐにキスをくれる。
『髪・・・・くすぐったい・・・・』
『ん〜?』
くすぐったいと言っているのになおもすり寄せてくる。
こういうじゃれ合いは久しぶりで・・・・・心地良い。
ぎゅぅっとしがみつくと大きな手で抱きしめてくれて・・・・・・。
顔中にキスを落とされ、首、鎖骨と体中にも唇が落とされる。
体を撫でられながら徐々に服を脱がされ、いつもより少し尖った歯で甘噛される。
『ぁ・・・・・っ・・・・・』
それにビクッと反応すると、グリムジョーはそこにペロペロと舌を這わせた。
それがまたくすぐったくて身を捩ると、逃げる体を追いかけてきてしつこく舐めてくる。
その舌が体中を舐め回り、ついに胸の突起を見つけるとそこばかりを集中的に舐めまわす。
だんだんと芯を持ち始めると、グリムジョーはそこに吸い付き、また噛んで舐めて。
それを繰り返され、紅く熟れたものを今度は指で弄る。
長い爪で引っかくようにされると少し痛いのにそれも快感に変わってきて・・・・・。
指先でつままれてクリクリと転がされると口から甘ったるい声が漏れた。
同時にゴソゴソと袴の中を探られて・・・・・グリムジョーは器用に袴を脱がせていく。
すっかりと反応してしまった俺自身が外気に触れて少し震えた。
それをグリムジョーの手が包み、ゆるゆると動かされる手に腰が揺れる。
『ぁっ・・・・はァっ・・・・ん・・・・』
『コレ、気持ちいいか?』
『き・・・・・くな・・・・・・ぁ・・・・・・・』
気持ちよさに生理的に溢れてくる涙で濡れた瞳で恨みがましくグリムジョーを睨むと、その瞳に柔らかな唇が落ちてくる。
それはちゅっと音を立てて涙を吸い取っていった。
もう片方はベロッと舐められて。
そんなんじゃ追いつかないくらいにじみ出てくる涙は気持ちいいか?≠ニ聞かれなくてもわかるほどに肯定を表していた。
『ぅあっ・・・・んンっ・・・・・ゃ・・・・』
俺自身を擦る手の動きが急に速くなってイく≠ニ思った瞬間、快感に耐え切れずにグリムジョーにぎゅっとしがみ付いた。
出した後独特の気だるさが体を襲い、それでもしばらくは頑張ってグリムジョーにしがみ付いていた。
荒い呼吸を整えていると、ふいに背中に温もりを感じる。
すぐにグリムジョーが背中を撫でてくれているのだと気付き、照れ臭さにくすぐったくなる。
だいぶ呼吸も落ち着いて、パッと顔を上げるとグリムジョーと目が合って・・・・・
ペロッと唇を舐められた。
物足りない顔をするとすかさずちゃんとしたキスもくれる。
なんだか今日は雰囲気が・・・・・。
グリムジョーが姿を変えたからというだけじゃなく、なんというか柔らかい雰囲気で・・・・。
落ち着いているというか・・・・。
していることを優先にしているのではなく、じゃれ合いを優先にしているような感じだ。
実際挿入してからもグリムジョーはいつもよりゆっくりで・・・・・・。
だからと言って焦らすわけではなくて。
どこまでも優しく快楽へと導いてくれた。
終わった後もゆったりとした時間が流れる。
膝枕をしろと言うグリムジョーの我が侭を聞いてやって、膝枕をしてやりながら俺は髪を撫でていた。
気持ちよさそうに揺れる尻尾とたまにピクピクする耳が可愛い。
『・・・・お前ずっと髪撫でてるな。気に入ったか?』
『・・・・・気持ちいい』
言われてみればずっとこの触り心地のいい髪を撫でている。
最中もよく触っていた気がする。
嫌だったか?≠ニ尋ねると別に≠ニいう短い答え。
嫌ではないということが解り、安心してまた触る。
『・・・・・今日は・・・・いつもとなにか違うな』
実はさっきからこれを聞きたくてうずうずしていた。
あまりにも急すぎたか?とも思ったが、もう我慢の限界だった。
するとグリムジョーはそうか?≠ニはぐらかした。
明らかに態度がおかしい。
『だって・・・・・グリムジョーがガツガツしていなかった』
『ガツガツって・・・・なぁ・・・・・・・』
バツが悪そうに頭を掻くグリムジョー。
言う気になったか・・・・・とグリムジョーが話し出すのを大人しく待つことにする。
グリムジョーは低く唸ったあと、重い口をやっとのことで開いた。
『・・・・なんつーか・・・・・・・やっぱいつもと違うと怖ぇかなぁって思ってよ・・・・・・』
『・・・・??』
要するに、いつもと違うグリムジョーの姿でするのに俺が怯えないようにしていたということだ。
自分がいつもと同じは嫌だと言ったくせに。
本当に・・・・・俺はどこまでコイツに大事にされているんだろうな・・・・・。
嬉しさにぎゅっとグリムジョーを抱きしめる。
その耳元で俺は小さく囁いた。
『どんな姿でもグリムジョーならなにも怖くなんかないのに・・・・』
瞬間、グリムジョーがガバッと襲ってきたのは言うまでもない。
end