共有する気持ち
好きだ
好きだ
好きだ
何度言ったって
何度抱きしめたって
何度口付けたって
何度体を繋げたって
めちゃくちゃ好きで暴走しそう
いや、もうしてる
体中から溢れ出して止まらない
止められない
『ウル・・・好きだ』
『俺もグリムジョーが好きだぞ』
『・・・・・・・・好きなんだ。お前が・・・』
『・・・・・??・・・・・どうした?』
今まで本を読んでいたウルキオラ。
俺はその隣りで大人しく座ってて、でも我慢できなくなった。
呟くように好きだ≠ニ言えばウルキオラはちゃんと返してくれた。
それでも満足できない。
好き≠繰り返す俺に、異変を感じたのかウルキオラは不思議そうに俺を見た。
情けなくて目を合わせられない俺に、ウルキオラは持っていた本にしおりを挟み傍に置くと、そっと俺に手を伸ばしてきた。
その手は髪に触れて、
引き寄せられるように俺はウルキオラのほうに倒れこんだ。
というより・・・・・ウルキオラの膝に倒れこまされた。
驚きにウルキオラを見上げると、少し冷たい手が頬に触れる。
『らしくないな。なぜそんなに情けない顔をしている?』
ウルキオラに言われ、カーッと顔が熱くなるのを感じる。
しかし図星を指されているため何も言い返せない。
らしくない。
確かにいつもなら簡単に言い返せるのに・・・・。
パッとウルキオラから目を逸らす。
するとウルキオラはゆっくりと口を開いて・・・・・。
『なにかあったか?』
静かにこう聞いた。
急なウルキオラの優しい言葉に、俺は拍子を抜かれて言葉を失う。
まさかウルキオラがそんなことを聞いてくれるなんて思ってもいなかったから。
『・・・・・・いつも、悩み事や不安を聞いてもらっているからな。たまには頼れ』
さらさらと頬や髪を撫でる優しい手が気持ちいい。
ウルキオラがそんなふうに思ってるなんて知らなかった。
そして心地いい。
心配をかけていることに罪悪感はあるが、それ以上に、嬉しさが勝つ。
ウルキオラが俺を心配してくれている。
今、ウルキオラの頭の中は俺でいっぱいで。
もっといっぱいになればいいと思ってしまう。
もういっそのこと俺のことだけしか考えられないように。
そんなのは無理だとわかっているけど、願わずにはいられない。
『・・・・・・ウルが好きすぎて止まらねんだけど・・・・、どうしたらいい?』
困らせるだろうとわかっているけど、あえてこの悩みを相談してみる。
だって・・・・・その瞬間だけは俺のことだけ考えてくれてるだろ?それが困ることでも。
そう思ったのにウルキオラは案外普通に答えた。
『それなら俺はもうとっくに壊れている』
『なっ?!』
困らせるはずが困ったのは俺。
しかも・・・・・そのウルの答えの意味がいまいち理解できない。
ガバッとウルキオラの膝から飛び起き、ウルキオラに詰め寄る。
『ウルキオラ、それってどういう意味だよ?!』
『そのままだろう。お前が好きすぎて止まらないというなら、俺はもうとっくに止まれずに暴走している』
『つまり・・・・・?』
『・・・・グリムジョーがそれほど好きだという意味だ』
『・・・・っ!!ウルっ!』
ぎゅぅっとその華奢な体を抱きしめる。
あぁ・・・・・やっぱ好きだ。
ウルキオラが大好きだ。
『止まらないなら止まらなくていい。止める必要などないだろう?』
『・・・・・・サンキュ』
『やっと・・・・・らしい顔になったな』
小さく笑われて・・・・俺もつられて笑みを零す。
好きだ
好きだ
好きだ
こんなの止められるわけがない
でもお前は止めなくていいと言った
それどころか
ウルキオラも止まらないと言ってくれた
お前も一緒なら止めなくていいと思った
あぁ・・・・・
やっぱり大好きだ
初めから
止められる訳がなかったんだ・・・・・・
好きなんだ
end