足りないものを乗り越えた先




 任務をさっさと終わらして帰宅。

今日はいつもより暑くて・・・・汗をかいたから風呂へ入った。

汗を洗い流し、さっぱりして拭くのもそこそこに首にタオルを掛けて部屋へ戻ると・・・・・

そこにはウルキオラがいた。

ソファに腰掛けて本を読んでいる。

ウルキオラは俺がいることに気付くと本をパタンと閉じて棚に置き、俺をジッと見た。


『どぉしたんだよ?なにか用事か?』


 ウルキオラが俺の部屋に来ることが珍しくて。

いつもなら俺から行くから。

てっきり用事があるのだと思って聞くと、返ってきたのは意外な返事で。


『用がなければ来てはいけないか?』

『そっ・・・・・んなこと・・・・ねぇよ』


 思わず声が上ずった。

ウルキオラがそんなことを言ってくれるなんて思ってもいなかったから。

パッとウルキオラを見ると、手招きしていて・・・・・。

何が何だかわからないまま、俺はゆっくりとウルキオラが座るソファへと近づいた。

すると腕を引かれ、ストンとそのソファへ座らされる。

それと入れ替わるようにウルキオラが立ち上がり、俺の前へとたった。


『しっかり拭いて来い。そこらじゅう濡れるだろう』

『・・・・??』


 バサッと首のタオルが取られたと思ったら頭から被せられて・・・・ウルキオラがガシガシと俺の髪を拭き始めた。

信じられずにただされるがまま。

夢かと思ったぐらいに。

だが確かに感じるウルキオラの手。


『ちょっ・・・・・おい!ウル、いいって・・・・自分で・・・・・』

『うるさい。黙ってされていろ』

『・・・・・・どうしたんだよ急に』


 俺のとこに来たり、ましてやこんなことをするなんて珍しい。

俺としては嬉しいが・・・・なにかあったのかとか・・・・思ってしまう。


『・・・・・昨日、お前が部屋に来なくて・・・・・』

『ぁ??・・・・・あぁ、昨日から任務で行ってたからな』

『それを今日聞いた。いつもなら・・・・・お前が来るから・・・・・』

『・・・・??おまっ・・・・・もしかして不安だったのか??』

『うるさい。黙っていろ』


 ギリギリと力を入れられて拭かれると頭が割れそうで・・・・・俺はとりあえず口を閉じた。

だがニヤケは収まらない。

それでもウルキオラの口から発せられる嬉しい言葉に耳を傾ける。


『・・・・だいたい・・・・グリムジョーが悪いんだ。いつも来るくせになにも言わないで急に来なくなる。誰だって心配だろう』

『言おうか迷ったけどな・・・・。でもお前は別にどうでもいいんだろうなって思ってたから・・・・・』

『心配で・・・・・飽きられたのかと考えたり・・・・・・自分からグリムジョーの部屋へ行こうかとも考えたが、突き放されるのが恐ろしくて行けなかった』

『そんなことあるわけねぇだろ!!』


 俺は手を伸ばし、目の前にある細い腰を抱き寄せる。

ギュッと抱きしめて・・・・それじゃ足りなくてさらに引き寄せて自分の膝の上に乗せた。

タオルの隙間から覗くと、驚いたような顔をしたウルキオラ。


『ウルキオラ・・・・・・』

『まだ・・・拭けてない』

『もう十分だろ。そんなことより今は・・・・・』


 チュッとウルキオラに唇を寄せる。

よく見ると、大きな目の下にクマが出来ていた。

昨日、寝ていないらしい。

こんなことならちゃんと言っていくんだったな・・・・と謝罪のつもりでぎゅっと抱きしめる。


『ごめんな。スキだぜ、ウルキオラ』

『グ・・・・・リムジョー・・・・・』

『お前はどうなんだよ?』

『莫迦が。・・・・・す・・・・きに・・・・・決まってる・・・・・だろう』

『わかんねぇよ。今みたいに言ってくんなきゃな』


 意地悪く笑うとウルキオラにギッと睨まれた。

しかしその後・・・・・ウルキオラ自ら、俺の首に手をまわして抱きついてきて・・・・・。


『お前も・・・・もう勝手に行くな。ちゃんと教えていけ』


 そうボソボソと耳元で囁かれた。

肯定の意味で髪を撫でると、安心したのか、規則正しい寝息が聞こえてくる。


『もう、置いていかねぇよ。心配して1人で眠れねぇカワイイやつがいるからな』


 静かに呟くと、かすかにウルキオラが笑った気がした。



                                                                  end





ここまで読んでくださってありがとうございました!!
これは、相互記念としてタマゴン様に捧げます!
なので、タマゴン様のみお持ち帰り可ですので!!
えっと、遅くなった上にこのようなダメ文ですみません;;
こんなものでよろしければお納めください!!
グリウル・・・・の付き合い始め??ですかね。
グリムジョーは、ウルキオラ好き好き〜!!でガンガン攻めてるんですが、ウルキオラが照れやなので反応してなくてですね。
付き合ってるけど、あいつ俺のこと好きなのか??とか不安に思っちゃってるわけで。
ウルキオラもウルキオラで本当に好かれているのか、自分が反応しないから飽きてしまったんじゃないかってもう不安で仕方ないっていう感じのときですね。
足りないのは言葉、というわけで。
お互いを思いすぎてっていう結局は甘々な2人なんですが・・・・。
本当にこんなものですみません;;
素敵な絵を頂いたのに;;
未熟者ですが、これからもよろしくお願いします!!
相互してくださって有難うございました!!