体温伝令




『さみぃ・・・・・』




 最近朝方と夜は随分と冷える。



だからかはわからないが、グリムジョーがよく擦り寄ってくる。

いや・・・・・・寄ってくるのは年中無休なんだが。





『俺に寄ってきても温かくないだろう?』







 俺の体温は低い。

擦り寄られて温かいのはむしろ俺の方だ。

グリムジョーの体温は俺に比べて遥かに高いから。





『暖けぇよ・・・・ウルだからな』

『どぉいう意味だ?』

『わかんねぇならそのままでいろよ』





 意味がわからないまま、またも俺を抱き締める腕に力がこもり、触れた場所がさらに暖かく体温を伝える。

耳にグリムジョーの熱っぽい吐息を感じ、思わず身をすくめた。

そこからもまたゾワゾワと自分のものとは違う体温が伝わるのを感じた。



冷たい耳たぶを噛まれ、そのまま唇が頬に触れた。


グリムジョーが擦り寄せてくる頬はやはり暖かくて。



全てに身を委ねてしまった。







 伝わってくるのは暖かさに乗った愛情。



伝えるのもまた同じもの・・・・・・・。





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