※『temperature』の続編ですので、先にそちらを読むことをおススメします。


temperature U




 俺が熱を出した次の日、今度はウルキオラが熱を出した。やっぱりというかなんというか・・・・・。
やっぱ離れさせとけばよかったとか、キスなんかするんじゃなかったとか・・・・・。
らしくねぇ罪悪感に襲われる。


 昨日ウルキオラをベッドに引きずり込んで、そのまま引っ付いてたらいつのまにか寝てて・・・・・。
カーテンからもれる木漏れ日が眩しくてなかなか開かない重いまぶたをなんとか開けたその時、隣にある熱がいつもなら自分の方が高いはずなのに、自分よりも高いことに異変を感じ、半分起きていなかった頭もすぐにフル回転する。
『ウル・・・?』
 苦しそうな息遣い、弱々しい霊圧。
額に手を当てると、カッと手のひらに熱が伝わり、その汗の量にもビックリする。
とにかく飛び起き、ウルキオラにも話しかけ、起こす。
『ウル!ウルキオラ!!大丈夫か??』
『ん・・・・はぁ・・・・熱ぃ・・・』
 なんとか意識はあるようで・・・・・。とにかく熱がどれぐらいあるか測らないとと、サイドテーブルに置かれていた体温計をウルキオラの口に咥えさせる。
力がうまく入らないのか、意識がうまく口へいってくれないのか。
咥えさせてもすぐに口から滑り降りて落ちてしまう。
しかたなく、ウルキオラの舌に触れるように手で固定して、測定を待つ。
すごいスピードで上がっていく数字は普段のウルキオラの平熱である35.6度を軽々と越え、38.9度まであがり、軽快音を鳴らす。
どこまであがるのかとハラハラしながら見ていた俺は、なんとか39.0度を越さないことにホッとする。
平熱が低い分、少しの熱でもしんどいだろうに、ここまであがるとさすがにウルキオラもやばいんじゃないのかと思ってしまう。
とにかく熱を少しでも下げて楽にしてやらなければ・・・と、とりあえず気になる汗を拭いてやることにする。
服もじめっていて気持ち悪いだろうと思い、ついでに着替えさせるため、服も用意した。
 ウルキオラも俺を着替えさせてくれたんだし・・・・・いいよな?
別に邪なことするって訳じゃねぇし・・・・この場合しょうがねぇっていうか・・・・。
つーかんなこと考えてる方がエロいのか・・・?
『ウル・・・・着替えさせるぞ?脱がすからな?』
 寒いかもしれないが、少しふとんをはいで、ウルキオラの上にまたがる。
上から見下ろす俺の姿を熱で潤んだ瞳で見上げてくる。
それがなんとも色っぽくて、思わず理性が飛びそうになったすんでのところで我に返る。
なにも反応を示さないことを肯定の意味にとって、ゆっくりとファスナーに手をかける。
さらけ出される白い肌。
何十回と見てきたはずなのに・・・・・。
この潤んだ瞳がいけない。
荒い呼吸がいけない。
上下する胸にどうしても視線がいってしまう。
それを振り払うように、上の服を腕から抜き取り、ベッドの下へと放り投げる。そしてその肌にお湯で濡らしたタオルを当て、指先まで丁寧に拭いていく。
『ん・・・・っ』
 時折、まるで“あの時”のような声を出すウルキオラに理性を飛ばされそうになりながら必死に押さえ込み、背中も拭いてやろうと、ウルキオラを抱き起こし抱える。
熱い息が首にかかり、思わずゾクッとする。
力なくもたれてくるウルキオラの背中をタオルでさするように拭いて、新しい服を着せてやり、ゆっくりとまた寝かせてやる。
『どうだ?ちょっとは気持ちよくなったか?』
 その問にパクパクと口を動かすウルキオラ。
声が聞こえなくて口元に耳を寄せると、“ふわふわする”と、ずれた返答が返ってきたが、それよりも熱い吐息が直接耳に吹き込まれたことにゾクゾクしてどうでもよくなる。
 問題はここから。
下なんだが・・・・・あまり見ないように・・・・。
『下も・・・着替えさせてやるな?』
 一声だけかけて、袴を脱がせる。下着にも手をかけ、すばやく拭いてちゃんと着替えさせてやる。
これは俺がヤバイとかそういう問題でなくて・・・・・なんかウルキオラのプライドが・・・・って言う問題な気がして。
全部見てんだし今さらって気もするけどよぉ・・・・。
 しかし・・・・・改めて白いなと思った。
そんな感想が言えるほどしっかり見ちゃいましたって感じだけど・・・・しゃぁねぇよな?
とりあえず汗は全部拭いてやったし・・・・・額に濡れタオルも置いた。薬もあるし・・・。藍染様んとこに休暇もらいにいかなくちゃな。ウルキオラの報告と。
『ウル・・・寝てろよ?すぐ戻ってくっから・・・』
 ウルキオラもだいぶ落ち着いたし・・・・・と、部屋を出ようと立ち上がり、歩き出そうとした瞬間、袴を捕まれ、足を止められる。
振り返ると、力なく伸ばされた手が、必死に俺の袴を掴んでいて・・・・。
無駄な力を使わせたくなくて、とりあえずベッドサイドに腰を下ろす。
頬を撫でるように手を当てて、覗き込んでやると、また何かを訴えようとしていて・・・・・理性をしっかり持って耳を近づける。
吹き込まれる熱い吐息と共に入ってくる、弱々しいウルキオラの声。
・・・・ぃ・・・かないで、・・・ココに・・・・いて・・・
 手を伸ばして、俺の服の襟を掴み、自分の方に引き寄せようとしている。
少しかがんでやるとするりと首に腕を絡め抱きついてくる。
その熱い体を支えてやりながら、“もう行かないから落ち着け”と耳元で囁いてやる。
 こんなに素直にこういうこと言うウルキオラは初めてで・・・・・どうしていいかわからなくなる。
可愛すぎて・・・・ヤバイ・・・・。
 その時、知った霊圧が近づいてくるのを感じる。この霊圧は・・・・ロイ。
だんだんと近づいてきて、俺達がいる部屋の前で止まる。次の瞬間、コンコンとノックが聞こえる。
『ウルキオラ・・・・ちょっとだけ、ロイが来たから行ってくる。すぐ戻ってくるからよ』
その言葉にぶんぶんと首を横にふるウルキオラ。入らない力を精一杯出して、俺の体にしがみ付いてくる。
『ウル・・・』
 せっかく藍染様んとこ行かなくてもいいようにロイに伝えてもらおうと思ったのに・・・・これじゃ行けねぇ。
どうしようかと悩んでいたところに、さらに霊圧が近づいてきて・・・・・・勝手に部屋に入ってきてるってことか??
そして寝室のドアが開けられた。
『大丈夫〜?グリムジョー・・・って・・・・・』
 俺にしがみ付いているウルキオラ。それを抱きしめて支えている俺。ドアの前にはロイ。俺達の姿を見た瞬間ロイはしばらく固まった後、真っ赤になった。
『ぅ・・・えっ・・・・ご、ごめっ・・・俺っ・・・』
 そのまま駆け出して出て行こうとするロイを俺は叫んで呼び止める。
ロイは足を止め、あまり俺達を見ないように振り返った。
『藍染様に伝えてほしいんだが・・・』
『な・・・なにを?』
『昨日の俺の風邪がウルキオラにうつっちまったから今日も休むって伝えてくれ。ウルキオラがこんな状態だから行けねぇんだよ』
『ぅん!わかった!!お大事にー』
 最後まで俺と目を合わせようとせず、そそくさと出て行く。まぁ助かったけどよぉ。
『ウルキオラ、もういいから。どこにも行かねぇから』
 ひょぃっとウルキオラを抱えあげてベッドに横たえる。
落ちてしまった濡れタオルをもう1度濡らして額に乗せてやる。
『グリ・・・ムジョ・・・寒い・・・』
『寒いって・・・まだ熱あがんじゃねぇか・・・?』
 首の後ろに手を当てると、確かに熱い。
体がこんなに熱いのに寒いっつーと・・・それしかねぇだろ。
『とりあえず・・・ふとんちゃんとかけとけ。飯食って薬飲んで寝たら治っちまうよ』
 ふとんを肩までかけてやってポンポンとしてやると、熱に潤んだ大きな目で俺を見上げてくる。
何かを訴えているようだが・・・・・。ウルキオラはどうしてほしいんだ??
今飯作りに行こうとしてもどうせ行くなって言ってくるだろうし・・・。そりゃぁ俺だってこんな可愛いウルキオラ置いていきたくなんかねぇけどよ。
ウルキオラって熱とか出たらすっげー甘えたにでもなんのか??
 流れる漆黒の髪を撫でてやると、さらに俺を見上げてきて・・・・。
『食いたく・・・ない・・・・グリ・・・・ッ』
 ガタガタと震えるウルキオラ。
寒気って・・・・人の体温でどうにかなるもんじゃないかも知れねぇけど・・・見てられなくて、俺はウルキオラの横に一緒に寝転がり震える体を抱きしめた。
いつも寝るときにしてやるように。
抱え込んだ体はすげー熱い。肌に吐きかけられる呼吸も。
『苦しいだろうけど寝ろウルキオラ。ずっとこうしててやるから』
『ん・・・・・・、グリ・・・・ムジョー・・・』
 背中をやさしくポンポンと叩いてやると、ウルキオラの目が静かに閉じられる。
ウルキオラの寝息が規則正しくなるまでずっとそうしてやっていた。

 30分ぐらいそうしてやっていただろうか・・・・。
ウルキオラもすっかり寝入ってしまっているようで安心する。
相変わらず体は熱いままだが、先ほどよりはましになっていると思う。
しかし俺もよく理性もってるよなぁ。普段ならもぅとっくにプッツンしてるぜ。
あんな可愛いウルキオラ見せられちゃ・・・・・・あぁーーーヤベェ。考えんな俺。
 ウルキオラを起こさぬようそっとベッドから抜け出す。
いくら熱が下がってきたからと言っても薬を飲まさないわけにはいかない。そのためには食わなきゃだろ。
 肩までしっかりふとんをかけてやって、そっと足音ひとつ立てないように、寝室を後にする。
そのままキッチンに来た俺は、雑炊を作るため、冷蔵庫を開けた。
卵とねぎがちゃんとあることを確認してから、俺は鍋に水をはり、調理を開始した。


 案外すぐに出来てしまって、お盆に鍋と器と蓮華と水を乗せて、寝室に向かう。
そっとドアを開けると、ウルキオラは静かに寝ていて少しホッとした。
サイドテーブルにそれを置いて、よく寝ているところ可哀想だがウルキオラを起こす。
『ウルキオラ、気分どうだ?』
『・・・・だるい・・・』
『寒気とかないか?』
『あぁ・・・もうない』
『雑炊作ってきたけど起きれるか?』
 頷くウルキオラに手を貸してやって、ベッドに座らせた。
平衡感覚がないのか、ふらふらとしてそのまま横に倒れそうになっている。
危なっかしくてしょうがねぇからベッドサイドに座って、ウルキオラを自分にもたれさせてやりながら、俺は器に雑炊を少し取った。
『ちょっとでも食えよ?座ってんの辛ぇかも知んねぇが俺にもたれてていいからよ』
 蓮華に一口分すくって息を吹きかけ冷まし、ウルキオラの口元に持っていってやる。
だがウルキオラは口を開けようとしない。
『おら。口開けろよ。ちょっとでもいいから食っとけ』
『・・・・自分で・・・・食える』
『テメー昨日俺にも無理やり食わしただろうが。自分だけ逃れられると思うんじゃねぇよ』
 ウルキオラが言葉につまる。
もう一度ウルキオラの口元に差し出すと、ウルキオラは小さく口を開け、それを口に含んだ。
『うめぇか?』
『・・・うまい』
『ならもっと食っとけ』
 もう一口分すくって持っていってやると、今度は素直に口をあけた。
照れながらも、もう反抗することはせずゆっくりと食べていき、すっかり鍋の中は空になった。
『食べたな。んじゃ薬飲むか』
 サイドテーブルに置いてある薬の箱を見て、俺はニヤリと笑った。
昨日出来なかったこと・・・・・。
 昨日俺は確か2粒飲んだなと、箱の中から2粒取り出す。そしてその1粒をウルキオラに渡すのではなく・・・・・自分の口に含んだ。
『なっ・・・グリムジョー?なにして・・・・』
 俺はニヤッと笑って、水も一緒に口に含み、そのままウルキオラに口付けた。
薬と一緒に水もウルキオラの口の中に流し込むと、飲み込むまで口を塞いだままにしておく。
ウルキオラも抵抗しつつ飲み込まずにはいられないようで仕方なく飲み込んだ。それを確認してから口を離してやる。
『グリムジョー・・・ッ』
『ぁあ?もう1粒あんぞ』
『ちょっ・・・待てッ』
 そんなことは聞かず、すばやく薬と水を口に含んでまたウルキオラの口を塞いだ。
今度は簡単には離さず、薬を飲み込んでもしばらく唇を塞いだままにする。
そこで・・・・・・俺の理性が完璧に切れた。
 開いた口内に舌を差し入れ、ウルキオラの熱い舌を絡めとる。
緩く抵抗するウルキオラ。胸を手で押されるが、力なんか全然入っちゃいねぇ。
そんなんで俺を止めれる訳もなく、逆に押し倒した。
『ん・・・・んぅ・・・ッ・・・はぁっ』
『なぁ・・・手っ取り早く熱下げる方法教えてやろうか?』
『・・・なに・・・言って・・・』
『汗かきゃ下がるぜ?』
 耳元で囁くとウルキオラがビクッとした。
俺の言う意味が理解出来たのか、ウルキオラの体が少し強張る。
『ゃ・・・・グリムジョー・・・ッ』
 徐々に服を脱がせながら、首筋や鎖骨に噛み付いたり吸い付いたり。
どこに触れても、唇からでも熱が伝わってくる。ウルキオラをチラッと見ると、熱っぽい潤んだ目で俺を見ていて・・・その目がさらに俺を誘った。
下も全て脱がせると、すでにそこも反応していた。
それに手を伸ばし、軽く扱いてやる。
『ぅあっ・・・・やっ・・・』
 手を動かしながら何度もキスを繰り返す。
しつこく、嫌ってほどねちっこく攻め立てると、生理的なものか、熱に浮かされすぎなのか、目から涙が零れ落ちた。
『そんなにいいかよ?』
『んぁっ・・・イくッ・・・・やぁっ・・・』
『残念。もうイってるぜ?3回ぐらい』
『っ!?う・・・そだ・・・』
『マジ』
 体が言うことを聞かないのか、ウルキオラは自分がイってることすら気付いていない。
それにしても・・・・よくイく。感じやすくなってるのか、さっきからちょっと刺激してやるだけで簡単にイってしまう。
『い・・・やぁ・・・っ・・・』
『いいから何回でもイっちまえ。なんも考えんなよ。全部快楽に委ねちまえ』
 そろそろ前を刺激するのにも飽きて、するりと後ろに手を伸ばす。
ウルキオラが放ったぬめりを借りて、ゆっくりとそこに塗りつけならす。
いつもならそんなに簡単には挿入らないその場所も、今日は完璧にウルキオラの力が抜けているためか、すんなりと俺の指を奥に導いていく。
『ハァ・・・ぅあ・・・』
『締めんなって・・・指ちぎれる』
『ぁ・・・んっ・・・』
 白い体のラインに沿って撫でてやると、さらに体から力が抜けていく。
その白に引き付けられる様に唇を落とし、紅い痕を残していく。
白に紅がとても映えて綺麗だ。
首から胸までびっしりと痕を残している間も、指の動きは止めない。抜き差ししながら指の本数も増やす。
いつもよりならす時間は短いにも関わらずそこはよくほぐれて、物欲しげに吸い付いてくる。
欲望のまま指を引き抜き、1度ウルキオラに口付けてから 俺はそこに自らを突きたてた。
『っあ・・・』
『すげー挿入ってく・・・わかるか?』
 一瞬息を詰めたものの、そこはぐんぐんと俺を中に誘う。
いつもより熱いそこに、挿入ただけでイきそうになり、俺も息を呑んだ。
全部埋めて、とりあえず息を整える。
見詰め合って、どちらからともなく舌を絡める。
ちゅっと吸い付いて離れて。また吸い付く。
同時にゆっくりと腰を使って動かすと、それだけでウルキオラ自身がピクッと反応した。
それに手を添えて一緒に動かしてやると、ウルキオラから悲鳴に近い声が上がる。
『ひぁっ・・・もっ・・・ゃ・・・グリムジョーッ・・・気持ちいっ・・・』
 普段なら絶対に自分から口にしない。
それほどまでにウルキオラの理性も飛んでる。
その声と言葉に誘惑されて俺も余裕がなくなっていく。
だんだんと早くなる腰の動きと、ウルキオラ自身を握った手の動き。
それに合わせて呼吸も速くなる。
たまらなかったのか、ウルキオラがしがみ付いてくる。それが合図だったように、ほとんど2人同時に欲望を吐き出した。


 そのまま気を失ったウルキオラの体を綺麗に拭いてやり、服を着せてやる。
ヤったからか、薬のおかげかはわからないが、ウルキオラの顔からもだいぶん赤みがひいている。
このままぐっすり眠れば明日には元気になるだろう。
しかし・・・・・・俺の理性弱ぇ・・・・・。
いや・・・我慢したほうか?あのいつにも増して色っぽい(熱っぽい目の潤みとか紅潮した頬とか・・・・それプラス素直で可愛い)ウルキオラを見てよく耐えれてた方なのか??
だからってあそこまで理性ぶっ飛ぶと思わなかった。
全然制御きかなかったしな・・・・・。ウルキオラ平気か・・・??
 少し不安になりつつも、深い眠りにつき、規則正しい寝息を立てているウルキオラの姿を見て、少なからず安心する。
寝顔に1つキスをしてやって、自分もウルキオラの横に寝転がる。
ウルキオラが目を覚ますまで、ずっと横で寝顔を眺めていた。


 数時間後、ウルキオラの大きな目がパチッと開かれる。
いい加減寝顔を見るのも飽きていたところだったから少し嬉しかったり・・・・・。
それなのに、俺を見るやいきなり・・・・・殴りやがった。
『ってーなッ!何しやがる!』
『こっちのセリフだ。病人にむちゃくちゃなことをしてくれたな』
『・・・・でも熱下がっただろーが?』
 スッとウルキオラに顔を近づけ、額を自分の額に合わせる。
ウルキオラにしてはまだ少し高いが、微熱ぐらいだろう。
元気になった証拠に・・・・・俺に離れろと胸を押す力がさっきよりも強い。
よかったと安心して、離れてやるどころか、逆に抱きしめてやった。
『あんなめちゃくちゃな治療法があるか。薬飲んで寝たら治ると言ったのはどこのどいつだ』
『今寝てただろーが』
『その前に“運動”させられたがな』
気持ちいいってよがってたくせに・・・・
『なにか言ったか?』
『いーや別に。何にも言ってねぇよ』
 逃れられないように腕に力を込めて抱きしめる。
怒っているのか・・・・・いつもなら抱きしめ返してくれるはずなのに返してくれない。
でもそんなとこで引き下がれない。
髪を撫でてやりながら、その漆黒に口付ける。
長めの横髪を掻き揚げ耳に甘く噛み付き、首をすべり肩口に口付ける。
そこまで来てようやくウルキオラがおずおずと俺の背中に手を回した。
機嫌取り成功か?と思ったが・・・・・違ったようで・・・・。
『雑炊うまかったから許してやる』
 聞こえたのはそんな可愛い返答。
一瞬パッとウルキオラの体を離し、ウルキオラの顔を見てしまう。
少し視線を逸らしてポスッと俺の胸に倒れこんでくるウルキオラが可愛くて、ニヤけた顔もそのままにして、もう1度ウルキオラを抱きしめていた。


                                                                    end