グリウル
もっとわがままが欲しいなんて、俺の勝手なワガママだけど。
なにも言わないから・・・・俺だってたまには甘えてほしいんだって・・・・。
『ウルキオラ、なんか欲しいもんねぇの?』
『別にない』
『・・・・んじゃぁなんかしてほしいことは?』
『別にない』
返って来るのはこんな返事ばかりで。
俺としてはもっと・・・・アレが欲しい、アレしてコレして・・・・・とかなんとか言ってわがまま言いまくってほしいわけだが・・・・。
ってまぁウルキオラにそんなん望むのがそもそもの間違いだって事はわかってんだけど・・・・。
むーーーっとソファで唸っている俺に、せかせかと動いていたウルキオラが視線を向ける。
それに気がつき目を合わせると・・・・
『なにをさっきからわけのわからないことを聞いてきているんだ?』
『・・・・別に・・・』
ウルキオラのマネをしたわけじゃねぇが・・・・答えようがないし。
わがまま言えなんて言ったってウルキオラはわかんねぇだろうし。
じっとこっちを見ているウルキオラの頭をガシガシと撫でて、もう一度なんでもねぇよ≠ニ口にしてから立ち上がった。
向かう先は冷蔵庫。
頭を冷やそうと思って気分転換になにか飲もうと思って。
すると冷蔵庫を開けて中を覗く俺の服を後ろからウルキオラが急に握り締めた。
その行動にビックリして振り返ると、ウルキオラが顔を伏せながら俺に抱きついてきて・・・・。
『どっ・・・・した??』
『・・・・・ら・・・・い』
『ん?』
声が小さくて聞き取れない。
俺は少し集中して耳を傾けてウルキオラの言葉を待った。
『ほしいものもしてほしいことも全部手の中にあるからこれ以上いらない』
『あ?お前そんなになんかもってたか??』
『・・・・・バカが』
『なっ?!?!なんだぁ??』
わけがわからないままウルキオラが離れて行って・・・・・俺は混乱しながらもウルキオラを追う。
ソファに座るウルキオラを後ろから抱きしめてどういう意味だ?と問い詰める。
自分で考えろとキツイことを言われつつもめげないで聞き続けていると・・・・・。
『一度しか言わないからな』
『おう!』
言ってくれる気になったらしく、俺はじっとウルキオラの言葉を待った。
じっと見ていると見る見るうちに紅くなる頬。
わけがわからないながらもじっと待っていると・・・・。
『・・・・・お前がいるから・・・・・なにもいらない。お前が全部してくれるから・・・・これ以上望むものはない』
顔を真っ赤にしながら一言一言ゆっくり出される言葉に俺の口が緩む。
『それって・・・・・』
『・・・・これ以上もらったら手から溢れてしまう』
マジで可愛い・・・・・
きゅんと胸を締め付けられ、俺はウルキオラをまた抱きしめていた。
俺はこいつにもっと欲しがってほしくてもっともっと与えたくて・・・・でもこいつはもういっぱいいっぱいもらってる気で。
そんなことより、俺でいっぱいいっぱいになってくれてるのが嬉しくて。
コレを最高のわがままだってとっていいか?
『その手の中から俺がなくならないように、俺はこれからもお前の手の中を俺でいっぱいにしててやる』
言うと真っ赤になりながら当たり前だ≠ニボソッとした声で返ってきて・・・・。
愛しさが溢れて優しく口付けた。
ザンスク
『ぅお゛ぉいッ!!痕つけんなっていってんだろぉがッ!!』
『うるせぇ。俺のもんに俺が何しようが勝手だろうが』
『なっ・・・俺はテメーのもんじゃねぇっ!!』
『俺に口答えか?』
『っ・・・・か・・・・関係ねぇだろぉ・・・』
『俺のもんじゃねぇってんなら自覚がたんねぇよぉだなぁカス』
『ちょ・・・・・ボス・・・??』
『いやでもわからせてやらなきゃなんねぇよな?』
『いっ・・・・?!!!!ちょっまっ・・・・いっ・・・てッ・・・・』
鏡を覗くと白い首筋に真っ赤・・・・というより赤黒く変色した大きな痕。
それも一箇所ではなく数箇所。体中のいたるところに。
自覚させるためと、何度も何度もきつく吸われ・・・・・ってかもう噛まれて・・・・・。
俺が、
俺はボスのものだぁ
って言うまで解放してくれなかった。
俺もすぐには認めずに散々やられた後だったからひでぇ有様。
でも・・・俺もただで帰ってきていない。
『ちっ・・・・カスザメが・・・・』
鏡を覗くザンザスの首筋に鬱血の痕。
最後の抵抗にスクアーロがつけたもの。
ザンザスがつけたものに比べて、小さく、色も薄い赤。
所詮この程度の抵抗しか出来ない。
相手はボスなのだから。
『・・・・テメーだから許されるんだ』
自分を縛り付けることが出来る唯一のもの。
ザンザスは鏡に映るその赤を見つめニヤっと嫌な笑みを浮かべると、足を進めだす。
向かう先はもちろん・・・・・自分のもののところ。
グリ一
『なぁー、気持ちいいのか?』
『あー』
膝枕をしろと駄々を捏ねるグリムジョーに仕方なく膝を貸す。
満足そうに寝転がって・・・・グリムジョーは目を閉じた。
身動きもとれずつまんねぇ俺は、グリムジョーをじっと見つめ・・・・その頬に手を滑らせる。
右頬についた破面にも触れて・・・・・。
ぺたぺたと触っていたらふいにグリムジョーの目がパチッと開かれて。
『わりぃ、寝れねぇよな』
『別に寝るつもりなんざねぇよ』
『んじゃ膝枕必要ねぇだろ』
『これはいる。・・・・お前を膝抱きにしてもいいがな』
『・・・・・こっちでいい』
『んじゃ決定』
なんだよコレ・・・・。とは思いつつ膝抱きはさすがにハズイから嫌だ。
おとなしくグリムジョーの頭を膝の上に乗せて・・・・
さらさらと髪を撫でる。
グリムジョーはそんな俺をジッと見ていたが・・・・・。
ふいにむくっと起き上がってやっぱこっちがいい≠ニ、俺の体を自分の体のほうに倒し、膝抱きではないが、それに近い形にしてしまった。
『さっきの俺の意志はどうなんだよ?!』
『そんなもん知るかよ』
そんな簡単にすませてしまって、納得のいってない俺にチュッとキスをして。
なんか無言で抱きしめてくる腕を振りほどいてやろうかとも思ったけど・・・
どうでもよくなってグリムジョーに体を預けた。
そんな休日の過ごし方。