暗黙のルール
『一護・・・・・』
『ん〜?なんだよ』
なにやら机に向かっている一護。
俺は暇で・・・・・。
たぶん勉強しているんだろう、一護に声を掛けてもこっちを向いてはくれない。
けど・・・・・・どれだけ忙しくても返事だけは返してくれる。
だから俺も・・・・・
もっと甘えたくなってくるんだ。
『いーちーごー』
『・・・・なんだよ、ハク』
『もっと構えよ』
『今無理。後でな』
全部背中越しの声。
それでもその声は優しくて。
呼べば返事をしてくれる人がいることがとてつもなく嬉しい。
『んなもんほっとけよ。俺を優先しろ』
『お前優先したらずっと離してくんねぇだろ。明日テストなんだ』
確かに1回一護が俺のほう向いたらそっから離さねぇつもりだ。
それをわかっているから一護もこっちを向かない。
それだけ切羽詰ってるってことなんだなって、それぐらい俺だってわかる。
だから俺も・・・・
話しかけるだけで一護の傍にいかない。
本気でこっちを向いてほしけりゃ自分から仕掛けに行くし。
後ろから抱き締めて押し倒して・・・・・
何も考えられなくなるまで。
だから一護に触らない。
近くにいかない。
一護がこっちを向くまでは。
『早く終わらせろよな・・・・』
『わかってるよ』
『・・・・・・・一護・・・・好きだぜ・・・?』
『・・・・俺も好き』
『可愛いこと言われたら我慢できなくなるだろぉ』
『動くなよ。もうちょぃなんだから・・・・』
“終わった”って振り向いた瞬間
憶えてろよ、一護
抱きしめて抱きしめて・・・・・
何度も何度も口付けて・・・・
たっぷり可愛がってやるから・・・・・・・。
end