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『獄寺、好き。すげー好き』

『・・・・・わかってるよ・・・』



 毎日のように聞く山本のこの言葉。

そんなこと言われなくてもわかってる。俺だって同じ気持ち。

山本は言葉でも態度でも“好き”だと表現する。

それがくすぐったくて心地良い。

言われるたび恥ずかしいけど。

1日も欠かすことなく俺に言う。

好きだと言われるたびにドキドキして

顔が熱くなるほどで。

きっと山本の目にもわかるほど赤くなってる。

毎日毎日・・・・

何度も言われているのに。

言われるたび、初めて言われたような感覚。

我ながら初心<うぶ>だと思うけど・・・・・。

日に日に成長していく山本から目が離せない。

昨日より今日、今日より明日の方がかっこいい山本に“好き”なんて毎日言われて

平然としてられる方がどうかしてるだろ




それより今怖いのは

いつか“好き”と言われない日がくるんじゃないだろうかっていうこと

こんな今みたいに

毎日言ってくれないようになるかもしれないということ。

毎日好き好き言われてる方がおかしいんだろうけど

そんなのこんだけ毎日言われ続けて

急に言われなくなる日がくるなんて信じられないだろ

俺に飽きたのかな・・・とか

前ほど好きじゃなくなったのかな・・・とか

絶対不安になる自分は目に見えてる。

そんなの嫌だから・・・・

そんな毎日は“日常”じゃないから


『わかってるけど・・・・・これからも1日も欠かさず言えよな』

『当たり前だろ!』


悩むことなくすぐに自信を持って笑う山本。

それが俺にとってどれほど嬉しいか山本はわかっているんだろうか?

たぶんわかってない。

でもコイツのことだから・・・・

たぶん心のどっかではわかってるんだろうな。

頭でわかってないだけで

無意識で・・・・。

それでも俺は嬉しい。


『約束、だからな・・・・・』

俺はそっと唇に誓いのキスをした。





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